2022年 7月の過去ログ

2022-07-28

忘れえぬ人・百日紅

点鬼簿








いまの季節の花となると百日紅だろう。
昨日クリニックから出してもらった処方箋を持って北野駅前にある調剤薬局に行ってきた。10時半のはちバスの乗っていろいろな買い物も兼ねている。
途中車窓から外を見ていると結構百日紅の花が目についた。
いよいよ暑い暑い夏の到来である。
その名の通り夏の間中、100日も咲き続けるに違いない。

北野駅前にあった三晃堂書店の店主のご母堂が百日紅の花の色を称して「おさるさんの
おしりのような品のない色」と称したという。
確かに色あせたピンクの色は猿の尻の色・・・
ご母堂には会ったことはないが、終戦直後に満州から引き揚げてきて苦労に苦労を重ねて一人息子のテンさんを育て上げたという。
そのテンさんもずっと遠い遠い所に行ってしまった。

今から40年も前の事になろうか・・・竹馬の友のEがいよいよいけなくなったという連絡があった。
本人はやせさらばえた姿を見せたくないと誰とも会わないと言っていたが無理やり甲府の北にある国立病院まで行った。
甲府駅からタクシーで行ったが病院に着くと俄かに空がかきくもり。シャワーのような雨が降り始めた。
そして近くに落雷があったらしく停電となってしまった。
薄暗い廊下を通って病室に入ると紙のように白くなってしまったEがベッドに座っていてこちらを見ていた。
と、その時また落雷があって一瞬窓の外が見えた。
植え込みの中の1本百日紅の花が見えた・・・鮮やかな朱の色だった。
言葉が何も出なかったが、「元気そうだな」と間抜けなことを言ってしまった。
それからひと月、9月14日に旅立っていった。

17年前のちょうど今頃母が施設ではもう見切れないと言われ、終末医療の診療所に移ることになった。
甲府の北のはずれの施設から盆地の真ん中にある診療所に移送した。
施設の玄関の所に大きな百日紅が堂々と咲いていた。
そしてこちらの診療所に着くとまた入り口に百日紅。
母が亡くなったのはそれから2週間ほどしてだったが・・・私はこの日を百日紅忌となずけた・・・もうすぐその日がやってくる。







yodaさんの投稿 - 16:00:27 - - トラックバック()