"お好み回り舞台・四月大歌舞伎"

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お好み回り舞台・四月大歌舞伎

見えない糸






四月大歌舞伎の昼の部のチケットが手に入ったのでタカコサンと行ってきた。
今回の演し物は「松寿操り三番雙」「不知火検校」「身代わり座禅」の3本であった。
開場は10時半で開演が11時、これに間に合うためには8時半のはちバスに乗っていく。
東銀座に着いたのが、10時ちょっとすぎで、まずは歌舞伎座の前の「瓣松」で赤飯の弁当を買った・・・タカコサンは今回は新宿の丸ノ内線改札近くの神戸屋のサンドウイッチ。
歌舞伎座の前には制服姿の女子高生の団体が並んでいた…ちょっと垢ぬけない感じの制服で話す言葉はお国ことば・・・どうやら修学旅行に組み込まれた観劇のようだ。
彼女たちの席は三階で、私たちの席は一階の最前列の41番と42番で柝を打つ人の真ん前であった。
この席から普段では見られない舞台の仕掛けや役者の横からの表情が見えて面白かった。

特に一番目の演目の「操り三番雙」はこの角度でなければ見られない役者の実力のようなものが分かった。
いわゆる人形振りで舞台の上で演じるのは糸操りの人形と後見と呼ばれる人形遣いである。
後見は2人いるけれど、主遣いとサポート役である。
幕が開くと人形を遣う後見が舞台の中央に坐して観客に深々と頭を下げてから、人形箱から三番雙の人形を片隅に置いてある箱から取出し舞台上に連れて行く。
その間人形は首を下げ左右の手もダラリと下げたままである。
人形を演じるのは市川染五郎で後見役は今や若手のホープと言われている尾上松也である。
松也はお正月の浅草歌舞伎ではリーダーとして活躍して、テレビの番組にもちょくちょく顔を出していて、今回の昼の部の不知火検校でも結構重要な役についている。
私の好みとしてはあまり・・・であるが人気があるのは確かなようだ。
操り三番雙で一番難しいのは操られる人形であることは間違いない。
箱から出された木偶が糸によって命を吹き込まれる様は迫真であり、染五郎はそれを見事に軽々と演じていた。
特に斜めから見える演技であるが、三番雙では後半に鈴と扇を持って踊る。
けれど人形であるので、鈴も扇も握って持つことは出来ないのだ。
持つのではなく、親指と人差し指で挟んでいるのだ。

後見は箱から出した人形の操り糸を調べていき、あたかも舞台の天井に人形遣いがいるようにふるまい合図を送りそして三番雙が始まっていくのだ。
実は、実際には存在しないこの糸の調べの所作をどのように見せるかがこの踊りの肝の様に思えた。
タカコサンの話だが・・・かってこれを演じた市川段四郎(当代の猿之助の父で、猿翁の弟)が父親の猿之助(先々代)に「お前も糸が見えるようになったな」と言われてうれしかったとインタビュー番組で語っていたそうだ。
はたして今回は糸が見えたかどうか・・・厳しいけれど今一つだったなぁ。



yodaさんの投稿 - 20:34:06 - カテゴリー: 依田先生の徒然日記
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