"八ヶ岳南麓だより・百聞は・・・"

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八ヶ岳南麓だより・百聞は・・・

焼き場に立つ少年






昨日のブログで触れた一枚の写真のことについてもう少し詳しく書いておきたい。
この写真はアメリカの従軍カメラマンである、ジョー・オダネルという人が、原爆投下の直後に広島・長崎に入って撮った写真の一枚である。
この写真は公式の記録ではなく自分のカメラで私的に撮ったものでこのほかに300枚ほどの写真があり長い間、トランクの中にしまい込まれて封印されていた。
それを1995年に「トランクの中の日本」と題して写真集として出版された。
写真は敗戦直後の被災地の状況や人々の生活の様子が映し出されている。
「焼き場に立つ少年」は、この写真集の中の一枚で、もっとも衝撃的でもっとも有名な一枚となっている。
私はこの写真集が出版されてまもなく入手して、「ヒロシマ・ナガサキ」をテーマにしたブックトークのときにコピーしたものを使った。

まさに「百聞は一見にしかず」の言葉どおりの一枚で、多くを語らなくても、少年の哀しみに耐えて直立不動でたっている姿に、万感の思いが見るものに迫ってくる。
少年は弟と思われる幼児を負ぶい紐で背負っているが、背筋をまっすぐに伸ばし、足は気をつけの姿勢で手は半ズボンの脇に添えられて指先をきちんとそろえて正面を見据えているのだ。
年のころにすると10歳から12歳ぐらいに見えるが軍国少年の面差しである。
哀しくても耐えて耐えて、唇を血がにじむほどかみ締めているのだ。
カメラは非情にもその一瞬を捉えているのだが、この少年の前後の物語が見えてくる。
おそらく、独りで弟を荼毘に付すために焼き場に来ていることを思うと家族も原爆の被害を受けているに違いない。
この後、弟は負ぶい紐を解かれて荼毘に付されるのだがオダネルさんはその様子を見ていたようである。
後年オダネルさんは来日してこの少年の消息を尋ねたけれど手を尽くしても見つけることは出来なかったようである。
その様子がテレビの番組で放映されていてこの写真集に映りこまれている子供たちと会っているが、この少年が誰であるかも分からなかったようだ。

この写真は「焼き場に立つ少年」で検索すればみることが出来るはずである・・・それこそ「百聞は・・・」である。

アベさんにもぜひ見てもらいたい一枚であるが・・・驕り高ぶり、鈍ってしまった感性では何も感じないだろうなぁ・・・





yodaさんの投稿 - 17:29:59 - カテゴリー: 依田先生の徒然日記
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