"健康維持ノート・白内障手術余話"

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健康維持ノート・白内障手術余話

再会






手術が終わって、また車椅子に乗せられて病室へと帰って行った。
1時間半は安静にするように言われて、ベッドに静かに横たわっていた。
ちょうど3時ごろの事であった・・・この病棟の受付で入院手続きをしてくれたAさんが顔をのぞかせた。
「ヨダ先生弟が来ました。携帯に先生が入院してきたと入れたら、たまたまお休みで家にいて、すぐに見舞いに行くと言ったんですよ」と言った。
ベッドから起き上がるとそこには小学生の頃面影を残したA君が立っていた。
「先生お久しぶりです。入院なんて姉が言うのでやつれていたら厭だなぁと思ったけれど、元気そうで安心しました」
「A君と会うのは何年ぶりかなぁ・・・確か一度北野街道で運転していた時に会ったような気がしたんだけれど・・・」
「覚えています。学校を卒業して就職して間もなくのころだと思います。長沼の近くのセブンイレブンで車を停めて話をしました」
「確か、T自動車の整備の学校に行ったと言っていたよな。やはり車関係に就職したんだね」
「はい、T自動車の販売店で車の整備をしています。今は転勤で青梅の販売店にいます。」
「そうか、車も好きだったよな。好きな道に進んだんだな・・・ところでいくつになったんだ」
「ちょうど40歳になるところです・・・先生に再会したのは20年ぐらい前になるかなぁ」
「絵の方は相変わらずかいているのかなぁ・・・」
「小学校を卒業してから描いていません。先生がすごく褒めてくれて、絵の本をくれたりしたのだけれど、普通に中学・高校と過ごしてしまいました。でも時々、あんなに褒めてくれたのだからそちらの道に進んでいればナァと思うことがあります。」

彼の才能はかなり特殊だったのだ…街の風景を俯瞰で描くことが出来たのだ。
フリーハンドではなく定規を使って中央線の豊田駅の近辺の町並を連作で描いていたのだ。
いわゆる鳥のような眼を持っていた・・・絵描きよりもグラフィックデザイナーか漫画家か、ちゃんと勉強すれば大成したかも知れない。私としては親御さんにもその才能を話したとおもう・・・それに、勉強するようにと絵の本をあげた記憶もある。

「絵の道には進まなかったけれど絵を描くのは好きで、それが仕事には役に立っています。喋るのは得意ではないので図や絵にかいて説明します」
「そうか,役に立っているか・・・そう言えばあの頃車のカタログを集めていたよな」
「先生は僕に車を買う相談をしましたよ。確かその時コロナに乗っていて、山道を走れるような馬力のある車を買いたいと言ってぼくはトヨタハイラックスを勧めて父さんの知り合いのディーラーを紹介しましたよ」
「そうだよな、ちょうど山の家を建てた頃だったのでA君の勧めでその車を買ったんだ」
いろいろな事が思い出されて、手術をしたことなど忘れてしまいそうであった。
「今、ぼくはH市の浅川の近くに戸建てを買って住んでいます。結婚もしています」
と言った。
「先生の元気な顔に会えて本当に良かったです、ぼくは今はツーリングを趣味にしているので今度是非、八ヶ岳の山の家を訪ねたいと思います」
「暖かくなったら、奥さんと二人で遊びに来いよ」

ちょうど4時を回った頃に帰って行った。



yodaさんの投稿 - 16:40:37 - カテゴリー: 依田先生の徒然日記
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