"お好み回り舞台・夫唱婦随"

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お好み回り舞台・夫唱婦随

国立劇場12月歌舞伎






夫が提案して妻が従う・・・我が家はこのところその関係は全く逆転してタカコサンの言う所に私が従っている。
70を過ぎてからその傾向は強くなり高貴高齢者になってからは妻の言うがままである。
特に趣味関係の事でこれまではあまり積極的ではなかった、歌舞伎はほぼはまってしまっている。
また、関連して文楽も歌舞伎のルーツであることもあってその面白さに目覚めつつある。
今月は先月に続き国立劇場のチケットが手に入り一昨日行ってきた。
今回は中村吉衛門を中心とする一座の演目で、舞踊劇の「今様三番三」と通し狂言「隅田春妓女容性(すみだのはるげいしゃかたぎ)」三幕九場であった。
この演目は初めて聞く出し物で上方で実際にあった事件を基に作られたものだそうだ。
通し狂言であるから結構長く、初めの頃は睡魔が襲ってきたが、後半は完全に舞台に引き込まれてタイムスリップした気分となり大変面白かった。

主人公は男伊達の梅の由兵衛で元は武士である。
旧主の危機を助ける為に自分の女房の小梅の弟の長吉を殺めてしまうという筋立てなのだが、そこには恋人同士が三組が出てきてそれに横恋慕する男が三人。
また、小悪党から大悪党までが絡んでいて現代の世相を見るようである。
主人公の由兵衛を演じるのは座長の吉衛門であるが古希を超えてもなお精力的に舞台を勤めていた。
ひところ少し元気がないように思えたが、これならまだまだ大丈夫そうだと思った。
殺陣も切れが良かったし、花道を駆けていて、息切れすることなくセリフも聞き取れた。
由兵衛の女房は吉衛門の娘婿にあたる、尾上菊之助で、彼はその弟の長吉との二役を演じていたが二階と階下とに分かれて早変わりを見せたりしてこれも興味深かった。
余談となるが、幕間の時に菊之助の奥さん(吉衛門の娘)が五番入口の所に立っていて役者と思しき人と話していた。

この一座は当代随一とも思われるような役者揃えで脇をしっかりと固めているので芝居に重厚感があり、特に今回は脇の人物を演じた又五郎の親子が汚れ役ではあったが瓢げていて笑いを取っていた。
また女形も良く、前述した菊之助、そして芸者の額の小三の中村雀右衛門。
特に長吉の恋人役の米屋の娘お君を演じた中村米吉は匂うような美しさであった。
この人の美しさは以前から注目していたが、中村七之助と並んでこれからのホープではないだろうかと思った。

中村吉衛門好きもあるが、大満足の芝居見物であった。

yodaさんの投稿 - 16:45:12 - カテゴリー: 依田先生の徒然日記
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