"季節だより風だより・春を探しに"

02 / 12

季節だより風だより・春を探しに

ロウバイ







朝からスッキリと晴れて窓から差し込む日差しがまぶしい。
2月も半ばに近くなると日に日に日の光が強くなっていくのを感じる。
庭先の雪もあらかた溶けて冬の間、干からびて茶色になっていた苔が心なしか緑を取り戻してきているようである。
午前中は自室にこもってウトウトしていたが、昼食を済ませてから春を探しに出かけた。外はまだ風が冷たかったが薄手のダウンジャケットで十分であった。
数日前まではバイパスの側道の日陰には雪が残っていて凍っていたので敬遠していたが、久しぶりに定番の散歩コースを歩くことにした。

家から出て3分程歩いたところに空き家が3軒ほどある。
まず手前の一軒は昨年100歳で亡くなったMさん宅である。
Mさんとは同郷で、私の中学の時の同級生の叔父さんであることが分かって親しくさせていただいた。
我がブログにも何度か登場していただいたが、特に一昨年三笠宮殿下が亡くなった時に習志野の騎兵連隊で殿下の部下であったことから新聞・テレビの取材を受けた。
そのいきさつについてはブログの中で何度か書いているが、我が文章がきっかけだった。Mさん宅は「売り家」の看板が出ているがいまだ買い手は付かないようだ。奥様に先立たれて10年ほど独り暮らしであったが、家は良く手入れされていて、外観の塗り替えでもすれば十分に住める。

たまたまであるが、道を挟んでもう一軒が空き家、ここは御主人が先に亡くなられて奥様が一人で住んでいたが、施設に入られたようで後を誰かが管理しているようだが年々庭も家も荒れ果てていく。
そしてその隣の家が3年ほど前に売りに出た。越してきて表札は出ているけれど無住になってしまっているようだ。
もうすぐ春がやってくるというのに無住の家の日陰には雪が残っていて何ともわびしい。
気を取り直して定番コースを1周したが、春はまだ見つけることは出来なかった。

そして帰り道、とある家の前の大きな鉢植えにロウバイが咲いているではないか。
春に先駆けて咲く花だ・・・名の通り薄くそいだロウを重ね合わせたような花びらで、近づいていくとかすかに春の香りがする。
花びらに顔を寄せて匂いを嗅いでいると、3・4年生ぐらいの女の子がいぶかしそうな顔をして我が行動を立ち止まって見ているではないか。
ジイさんは不審者と見られたか・・・ロウバイ
女の子も目があってちょっとロウバイ、慌てた様子でペコリと頭を下げた。
そこで「この花は蝋梅って言うんだよ・・・春の匂いがするから、かいでごらん」と言うと、素直に花に顔を近づけた。
「匂うでしょ」というと大きく頷いた。
「この花の花びらがロウの様な色をしているから蝋梅と言うんだよ・・・蝋って知ってっる」と聞くと首を振った。
「ほら、火をつけてともす蝋燭の事だよ」と言うと分かったという顔をした。
そして「ありがとうございました」と言って走って去った。
なんだか一陣の春風が吹き抜けていったように思えた。

間もなく本当に春がやってくるに違いない。

yodaさんの投稿 - 17:29:54 - カテゴリー: 依田先生の徒然日記
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