"かたくら通信・さいのね便り"

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かたくら通信・さいのね便り

冬野菜






「40数年ぶりの寒波がやってきて、いやはや、毎日寒いですね。ここまで寒いと池の水も井戸も凍り野菜たちも朝はカチコチに固まりぐったりしなだれてしまいます。そして昼になると解けて、また上に向かいます。根っこを土に張り、生きているものは朝昼晩で姿を変え、ほれぼれします」
千葉の一宮町で営農しているさいのね畑のマイコさんのお便りの冒頭である。
さいのね畑は30年ほど前に日野市の小学校で教えたT君の農場でマイコさんは奥さん。
彼等の営農は沢山の種類の季節の野菜を作ってそれを宅配で届けるというやり方だ。
私は月に2回送ってもらうようにしているが、毎回何がはいってくるのか・・・玉手箱を開けるような楽しみがある。
そしてそれと同時に毎月1回、「さいのね便り」という通信が入ってきてそれも楽しみだ。
夫婦でひと月交代で文章を書いているようだが、農業の楽しみや苦しみが生の声で伝わってきて毎回何かしら心に残るものがある。

今月号では冬野菜の楽しみが記されていて、一年中で葉物野菜が一番美味しいのはこの時期なのだそうだ。
「青菜の味がくっきりしているから」と彼女は書いているが、野菜たちは生き延びるために糖分をしっかりと蓄えているからではないだろうか。
苦しみはやはり冒頭に書いていた、40数年ぶりの寒波襲来。
比較的温暖な一宮町でも1月22日雪の時には雪はつもり寒さから野菜を守っているビニールのトンネルがつぶれたそうだ。
壊滅的な被害には会わなかったようだが心が折れそうになる。
そんな時に4歳になる息子のソウタロウ君が励ましてくれた・・・
「がんばるんだよ、そうなったらがんばればいいんだよ」といつになく気合の入った声色で言ったそうだ。
昨年の台風の時やはり冬野菜の苗が全滅した時も、「しょうがないよ、しょうがない。」と繰り返し言ったそうだ。
「阿呆くさい事ばかりしている4歳男子ですが意外に分かっている事もあるようです。どうにもならないことはあきらめる。そしてその後はひたすら頑張る。そうか、その繰り返しをすればいいのだ」と母ちゃんは気付く。

ソウタロウ君は昨年八ヶ岳の山荘に両親と共に遊びに来てくれた。
人見知りして一夜では慣れることは出来なかったけれど、大物の片りんを感じさせるものがあった。
「どうにもならないことはあきらめる。そしてその後はがんばる」これはマイコサンだけに向けた言葉ではない。
好奇高齢者にも通じる哲理ではないだろうか・・・
4歳にしてこのような言葉を発するのは土にまみれ自然を相手に格闘している両親の後ろ姿を見ているから出てくる言葉なのだろう。
yodaさんの投稿 - 17:19:28 - カテゴリー: 依田先生の徒然日記
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