"学びの窓・読み聞かせ"

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学びの窓・読み聞かせ

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今から45年ほど前に世田谷の小学校で4年生を一年間だけ教えたF君から一葉の葉書が届いた。
私は彼を受け持った次の年に町田の学校に転任していった。
F君も5年生になる時に父親の仕事の関係で北の地方の学校に転校していった。
それから付き合いは途絶えてしまったのだが先年突然連絡が来て中学の英語の教師となったと言う事だった。
そして賀状のやり取りが始まって頑張っている様子はうかがえた。
また機会があって北の地方を旅行した時に二日ほど車で観光につきあってくれた。
その折にこれから自分の進むべき道について相談を受けたのだが・・・ためらいなく管理職になるように薦め、良い学校づくり目指すように言った。
彼は学校では生活指導と進路指導を担当し特に生活指導については全国的な組織の研究大会などで自分の実践を発表したりしていた。
そして子ども達に向けての熱い情熱があり、職場でも頼りにされている存在のようだった。ならば、その情熱を周りの人にも伝播させるには一人で頑張るのではなく先頭に立って皆を引っ張って行く立場になる方が良いと薦めたのだ。

それから3年ほど経って、教頭になったという知らせがあり、今回は校長になって新しい学校に赴任したと言う挨拶状だった。
文面の最後に自筆で「感動のある学校づくりを目指します」とあった。
すると、たまたま別な学校での教え子が夫婦で我が家を訪ねてきた。
彼の奥さんは特別支援学級の先生をしていて、この北の地方の出身でF君が校長として赴任した学校を良く知っているというのだ。
「大変だ…」と一言。
その北の地方では底辺校と言われ学習困難な生徒が多く家庭環境も厳しく、生活指導が大変なことで有名だと言うのだ。
ともかくその情報が気になったのでF君に電話を入れてみた。
すると、連休中だというのに学校に行っているというのだ・・・ちょうど夜の8時過ぎを回った頃に電話がかかってきた。
生徒のことで休み返上で児童相談所に行ってきたのだそうである。
新しい学校の事を尋ねると入学式から大変だったけれど何とか乗り切り、今は保健室登校の子ども達の対応の毎日だと言うのだ。
そして、保健室から図書室に子ども達を移動させて読書に目を向けさせているという。その手立てとして「読み聞かせ」をやってみたところ子どもの表情が動いた・・・
読んであげたのは「スーホーの白い馬」・・・本の選定を子どもの一人相談したところ教えてくれたのだそうである。
読み聞かせを思いついたのは自分が4年生の時、私が時折本を読んであげた事を思い出したからだそうだ。
電話の向こうのF君は思ったよりも元気で意気軒昂だった。
そして、「読み聞かせ」のノウハウや中学生にも適した絵本を紹介してほしいと言われた。
快諾・・・出来る事は何でも協力すると約した。
yodaさんの投稿 - 13:45:39 - カテゴリー: 依田先生の徒然日記
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