"季節だより風だより・夏はきぬ"

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季節だより風だより・夏はきぬ

托卵戦争







今年初めてのホトトギスの啼き音を聞いた。
ちょうどお昼前に出かけようとして玄関を出たところだった。
けたたましいとも思えるような「キョキョキョキョ・・・」

ホトトギスと言えば信長、秀吉、家康の性格を表した戯れ歌があるが、殺したり、無理やり啼かせたり、じっと待ったりして聞くほどの声でもないような気がするのだが・・・
歌と言えばもう一つ唱歌の「夏はきぬ」である。
 卯の花の匂う垣根にホトトギス早も来啼きて忍び音もらす夏はきぬ
花の色、匂いそして鳥の声から連想される音、初夏の情景が目に浮かんでくるようで、思わずこの季になると口ずさんでしまう歌だ。
しかし、ホトトギスの実際の啼き声を聞くとその風情は霧散してしまう。
卯の花の匂いも想像するほど良い匂いとは思えない。
実は歌は知っていたが実際のホトトギスの啼き声を知ったのは職を辞してからだ。
夜中に目が覚めたたら、怪鳥のような得体のしれない声が聞こえてきたのだ。
以来、気を付けているとこの時期には何度も聞こえてくるのだ。
気になって調べてみようにも鳴き声は書物では調べようがない。
そこで甲府に住む野鳥の会の会員である甥のM君に電話して聞いてみると・・・
「それはホトトギスだよ・・・奴は夜中でも啼くし飛びながらも啼くからね」
と教えてくれた。

家を出て「はちバス」を待っているとウグイスのただならぬ啼き音が聞こえてきた。明らかに警戒の啼き音であった。
どうやら、いよいよ托卵戦争の始まりのようである。
ホトトギスはウグイスのいなくなる隙をついてその巣に卵を産み落とす。
そしてウグイスに孵化させてその雛を育てさせる。
ホトトギスの卵はウグイスよりも早く孵化してその雛は残っているウグイスの卵を全て外に抛りだして自分だけが残ってウグイスに育ててもらう。
いつか、ホトトギスの雛がウグイスの卵を外に出すシーンを映像で見たことがあったが、雛はお尻を使って後ろ向きになって器用に卵を押し出していた。
そして、そのお尻は押し出すのに都合の良いような形をしていた。

我が家の裏の小高い繁みでは熾烈な生存競争が行われているのだ。
生まれたホトトギスの雛はやがてウグイスよりも大きくなるのだがウグイスはせっせと餌を運び育て上げるのだ。
ウグイスは自分の子どもと思い込みホトトギスは自分の産みの親も知らずに巣立っていく。
自然の摂理を人間の価値観に当てはめるわけにはいかないが何となく哀れ。

それでも何でもウグイスもホトトギスもちょうど良いバランスで共存しているのだな。

yodaさんの投稿 - 17:16:04 - カテゴリー: 依田先生の徒然日記
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