"八ヶ岳南麓だより・サンリツ美術館"

08 / 17

八ヶ岳南麓だより・サンリツ美術館

名碗






8月1日山の家にやってきて半月が過ぎた。
その間に一度だけ1泊2日で八王子に帰ったけれど、そのほかの日はほとんどどこにも出かける事なく引きこもっていた。
特に昨日、一昨日は台風のせいもあったので家から一歩も出ることはなかった。
今日はタカコサンが上諏訪のサンリツ服部美術館に行きたいと言ったので付き合うことにした。

山荘から上諏訪までは小淵沢にから普通列車で40分ほどで行く事が出来る。
上諏訪は温泉の町で諏訪湖の周りに旅館やホテルが立ち並んでいる。
また、その気候から東洋のスイスとも言われ精密機械の工場なども多く,時計のセイコウの工場もある
そんな関係からかセイコウの創業者である服部一族のコレクションで茶道に関係する美術館があり国宝の茶碗も展示している。
今までに何度か訪れた事があるが今回は「茶人に愛された数々の名碗」という企画展であった。

特に今回の展示の呼び物は赤楽茶碗、銘「障子」本阿弥光悦作である。
17世紀に造られたものである。
その名の由来は茶碗の腰のあたりに亀裂が入っていてそこから光がもれて見える。
もちろん、透明の釉薬が掛かっているので水漏れはしない。
茶碗の大きさはすっぽりと掌に収まりそうである。
そして、口縁から胴、腰にかけて幾つも亀裂が入っていて継いである。
見ようによってはそれが痛々しくもあるが茶人達はそれを景色として楽しんだのであろう。
たまたま出来た傷から光が漏れることを愛でて楽しむなど常人には分からない世界だ。

同じ光悦の白楽茶碗で銘が「不二山」という茶碗も展示されていた。
この茶碗はサンリツ服部美術館の至宝で国宝に指定されえている。
光悦は刀の研磨や鑑定を生業としているのだがこの茶碗は手づくねとへら削りで造形し、釉薬の色合いが独特で胴の上部が白く発色し下部が黒である。
その色合いの妙を富士山にたとえて銘名されたと思われる。
大きさは高さが8.9cm、口径が11.6cmで茶碗としては決して大きいわけではないが、実に堂々としていて見飽きない。
この茶碗は常時展示しているわけではないようだが私が見たのは今回で三回目である。
この茶碗に会えただけでもわざわざ来た甲斐があったというものである。
                                この稿続く

yodaさんの投稿 - 19:19:21 - カテゴリー: 依田先生の徒然日記
コメント
コメントはありません
コメントを追加
このアイテムは閲覧専用です。コメントの投稿、投票はできません。
トラックバック