"八ヶ岳南麓だより・北澤美術館"

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八ヶ岳南麓だより・北澤美術館

アールヌーボー







サンリツ美術館のすぐ隣にユニークな美術館がある。
北澤美術館といいアールヌーボーのガラス製品のコレクションを中心に展示している。
北澤バルブという会社のオーナーが蒐集した19世紀末から20世紀にかけて活躍したフランスのエミール・ガレ、ドーム兄弟の作品である。

アールヌーボーとは19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパで起こった芸術運動で「新しい芸術」を意味する。
それは、花や植物などをモチーフにして従来の様式にとらわれず自由な曲線の組み合わせによる装飾が特徴である。
特に、当時の新素材である鉄やガラスなどが利用されて、建築、工芸品、グラフィックデザインで表現された。
この美術館の作品はまさにアールヌーボーの最盛期のガラス作品に特化している。

特にエミール・ガレの作品は素晴らしく世界でも屈指のコレクションだそうだ。
エミール・ガレはフランス東部のナンシーの生まれでガラス・陶器・家具などの製造販売を手がけて、工芸を芸術の域まで高めたといわれている。
特にガラス製品はその装飾性がすばらしく、モチーフとして植物や昆虫などがデザイン化されている。
そしてその装飾は日本画の特に水墨画の影響を受けていて、ナンシーに留学中の農商務省官僚の高島得三と交流があったといわれている。
高島は画家ではないが、水墨画をよくしたそうである。

また、北澤コレクションの中枢としてドーム兄弟の作品も展示されたいる。
ドーム兄弟は同じく19世紀末から20世紀に活躍した人である。
エナメル彩色による絵付けや、ガラス素地に絵模様を描きさらにガラスをかぶせて模様に奥行きを持たせる技法を編み出している。

サンリツ美術館で和の真髄の陶器を見て、一転して洋の装飾性のきらびやかさを堪能した。
陶器それも茶碗という特殊な世界とガラスという工業製品を比べるのは愚であるが、やはり茶碗一碗一碗の持っている歴史とその物語性に深さを感じる。
一つの茶碗の前に立ったとき何百年もかけて培われた唯一無二が迫ってくる。

ガラスの方は装飾としての美しさはあるが売店で売っているレプリカであってもそこには余り差はないように思えるのだが・・・


yodaさんの投稿 - 17:20:49 - カテゴリー: 依田先生の徒然日記
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