"かたくら通信・窯出し"

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かたくら通信・窯出し

天の音







一昨日火入れをした陶芸作品であるが、今朝、窯内の温度が100度に下がったところを見て恐る恐る扉を開けてみた。
籠っていた熱気がワッと押し寄せてきたが、チョッと見で8割方は思い通りに焼けていたようであった。
そこで逸る気持ちを抑えてもう一度、扉を閉めて2時間ほど待つことにした。
急激に冷えると釉薬の収縮が起こって作品のためにはあまり良くない。。
朝食をすませて窯を再度開けたのが10時だった。
断熱の手袋をして上の段から順次取り出していった。
今回焼いたのはコーヒーカップや湯飲み茶わん小皿、小ぶりの碗などの普段使いの日常雑器の類である。
それに、何の釉薬か分からなくなってしまったものを小さな小壺に掛けた。

作品は全部で50個ほどだったが、最初窯を開けてみた時の予想通り2割ほど不満足のモノがあった。
温度を1230度に設定したことによって、焼けすぎて釉薬が流れてしまったモノや、逆にその温度では釉薬が溶け切れないモノもあった。
今回の火入れではお抹茶の茶碗を2個焼いてみたが、これは思ったよりも良い色に焼き上がった。
タカコサンに見せたところ次回のお稽古の時に使ってみるとの事だった。
コーヒーカップはソコソコの出来で一番使いやすそうなモノで飲んでみたがまさに普段使いにピッタリで明日から使うことにした。
また湯呑も狙っていた通りの色がでて・・・乳白色だが少しブルーがかかていて、お茶の色を緑に引き立たせる。

予想外の出来栄えだったのが釉薬を試すために焼いた小壺でどうやらこの釉薬は織部系らしく深緑に出ていてそれが季節の花に合う。
小壺は一輪挿しとして作ったものなので今の季節の花として、藪椿を一輪。
凛として花も壺もお互いを引き立てあっている。
さくらのひと枝もなかなか良い・・・ほんのひと枝で玄関に春がやってくる。

これは窯を開けてしばらく続く事なのだが溶けた釉薬が妙なる音を奏でるのだ。
ガラス質が冷やされて収縮するときの音である。
これが作為のない天から聞こえてくるような気がするのだ。
貫入というヒビが入る音なのだが、これは傷ではないし、水漏れもしない。

朝ドラで今日そのような場面をやっていたようだが・・・





yodaさんの投稿 - 16:53:27 - カテゴリー: 依田先生の徒然日記
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