"桑都だより・母親"

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桑都だより・母親

ですよね








午前11時の予約で駅前の歯医者に出掛けて行った。
いよいよ上の奥歯の本格的な架橋工事の始まりである。
橋を架ける両側の基礎を削りだした。
あのマシンの音はたまらない・・・痛みはなかったが神経を逆なでされる気分だ。
今回は削りだけで、仮のモノを上にかぶせて、来週型を取るそうだ。
口の中に違和感を感じつつ、帰り道は遠回りをした。
なるべく、一日の歩数を稼ぐために、出かけた時最短距離は歩かないようにしているのだ。
歯医者までの往路は15分ぐらいだが(下り坂でもあるから)復路はたっぷり30分はかかる。
地域限定バスのはちバスのコースを歩いた。
大通りに出るまではほとんど上り坂であるが息が切れるほどの急な坂ではない。
途中、由緒ありそうな寺がある。
以前から一度寄ってみたいと思っていたところだ。
30メートルほどの参道を入ると山門があり左右に仁王が金網の中に入っていた。
朱塗りの門は固く閉ざされていて、「散歩や通り抜けはお断りします」と立札がしてあった。
今時こんなお寺は初めてである。
「門は衆生を迎え入れるために開けてあるものだろうが・・・」
とつぶやいたら、阿吽の呼吸で二体に睨まれた。
せっかく足を運んだのに・・・なんだか不愉快になったが、罰が当たらないうちに退散。

寺から10分ほど歩いたところで、横道からバギーカーを押した若い母親が出てきた。
目が合うと,黙礼をされた・・・今時、これも珍しいことだ。
チョットどぎまぎしてしまったが,『赤ちゃん見せてくれますか』と言ってしまった。
年の頃は20歳を過ぎたばかりだろうか・・・お母さんはバギーを止めてくれた。
赤ちゃんは白い乳児服を着てパッチリ目を開けていた。
「女の子ですね」
というと、
「見えますか、良かった。気にしてるんです」
「可愛い別嬪さんですよ。きっと美人になりますよ」
「ありがとうございます」
お母さんは嬉しそうに言った。
「生まれて何か月ですか」
「4か月です」
「このご時世だ・・・いろいろ気を使って大変ですね」
「ですよね・・・でもまだ母乳ですから、私はなるべく気にしないようにしているんです」
「そうですね、あまり神経質になったりするとノイローゼになってしまう」
「ですよね・・・水なんかも実際飲ませる時になったら考えることにします」
立派なお母さんだ。
お寺の不愉快が吹き飛んだ。
こんな健気な母親に心配掛けるような世の中は何とかしなくては。

「ですよね」






yodaさんの投稿 - 20:16:11 - カテゴリー: 依田先生の徒然日記
コメント

kurumiwakoさんの投稿:

御邪魔します。お久しぶりです。 
天草の恩師の教え子です。
あれから、毎日、拝見しております。
お母さん、あっぱれですね。同感です。
私の87歳の父の言葉です。
子どもは、神様からの預かりもの。いつか社会にお返しする日が来る。その日までに、独りで生きて行けるよう育てればいい。 
です・・・・4人の子育て中・・2人は社会人ですが、それぞれ、生きています。
昨日、人生ハーフのバースデイでした。
家族、皆で祝ってくれました。幸せです。
今、デイサービス「うららかデイサービス 練馬」ホームページ内、ブログ「新人日記 ボーです。」が、私です。良かったら、覗いてみて下さい。日々、いつか私自身、老いる。実感しつつ・・・介助生活です。老いても皆さん、生きようとしています。
素敵です。
依田先生の、ポジティブさ、素敵です!
個展、見に行きたいです。・・・が、あまりに忙しすぎる毎日、残念です。
誕生日の記念にコメントさせて頂きました。
(^^)V
2012-04-19 21:49:12
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